2021年08月



 森にまつわるおすすめの本④ ~溝口隼平氏~

【森にまつわるブックリスト紹介(その四)】
引き続き「森にまつわるブックリスト」の紹介をします。
今回は、八代市のReborn代表の溝口隼平氏の4冊の選書。(選者の紹介コメント付きです)

・森へ 福音館月刊たくさんのふしぎ (1986) 星野道夫/文•写真
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何度も何度も読みました、ただただ、魅了されました。星野道夫さんが、500年ほど前の日本の森を撮ったらばどんな写真になるだろうと妄想することがあります。

・雲の峰 鮭の川(1984)ブルース・ブラウン 著/ 池 央耿 訳・・・・写真なし
海と山と川と人と社会がどうあるべきか。ずっと前に書かれたこの本による警告内容がいまだに新鮮であることが残念でなりません。

・土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技(2020) 高田宏臣
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映画アバターで描かれていた、あらゆるものが繋がっているあの森が、実は足元にもあったんだ、としみじみと。俯瞰したり潜ったりして繋がりを社会全体で再認識する作業が今必要なんだろうなと思いました。

・ドングリ・ドングラ (2015)コマヤスカン 著
図説:火山性荒廃地における極相遷移過程の謎についての一考察~妄想学的アプローチ~
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ぜひ、事実であってほしいファンタジー。

以上が溝口氏の選書4冊です。ピンときた方は、ぜひ読んでみてください。(続く)


 森にまつわるおすすめの本③ ~高倉敦子氏~

【森にまつわるブックリスト紹介(その三)】
先月から「森にまつわるブックリスト」の紹介をしています。
今回は、水俣市の水俣森の会の高倉敦子氏の3冊の選書。(選者の紹介コメント付きです)

・樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声
ペーター・ヴォールレーベン 著  長谷川 圭 訳  早川書房
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樹木には驚くべき能力と社会性があり、子どもを教育したりコミュニケーションをしたり、長い時間をかけて移動したりと、まるでファンタジーのような話を科学的観察眼と具体例で押さえていて、ああ、こういう人の授業を受けてみたい!世界的ベストセラーになったとのこと。森の声を聴く力、日本人には元々あった感覚なんだと思いました。この本を読むと必然的に森に行きたくなるでしょう。ミステリアスな世界に触れたくなる! ただ今熟読中。

・山と森の生活誌  遠藤 ケイ 著   日本放送出版協会
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山の中に丸太小屋を建てて自然生活を実践しながら文章とイラストを描いている遠藤さんの、自給自足に近い在り方は、ずっと憧れでした。民俗学研究のため全国を歩き、山や森に関わる人たちの話を採取、そしてまた自ら道具を作って試してみるという実践。へたな学者よりずっと説得力のある文章。イラストには自然と人間に対する愛情がこめられている。本を開くと扉にはこうあります。「探求心の旺盛な人間にとって、最もありふれた事実こそ、常に最大の喜びである」ヘンリー・デイヴィット・ソロー
やっぱりここにもソローの存在があった! 

・山菜と木の実の図鑑
  おくやまひさし 著  写真、文、イラストもポプラ社
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文字通り、生きていくために必要なものは森に行けばあるよ♪そう力強くて親切に訴えかけてくる奥山ワールド。図鑑だけどめちゃくちゃあったかくて、これ以上ないというくらい使える。ふりがなつきだから大人から子どもまで。でもこういう山や森が今どのくらい残っているんだろう?野山を歩くことは当たり前だった子ども時代。おやつは自分で調達。それは至福。この一冊があると、野山を探して歩きたくなってくると思う、そうあってほしいです。

以上が高倉氏の選書3冊です。ピンときた方は、ぜひ読んでみてください。


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